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パンズ・ラビリンス [映画]

【ストーリー】1944年、内戦が終決し軍事独裁下にあったスペイン。仕立て屋の父を失った少女のオフェリアは妊娠中の母親とともにゲリラが支配する山奥の軍の駐屯地に到着する。そこには新しい父となるビダル大尉の駐屯地だった。長旅の疲れからか母は床に臥せってしまい。オフェリアはゲリラに対し不当な扱いをする義父になじめないでいた。しかしある夜彼女の前に妖精が現れ、オフェリアを森の中の迷宮に誘い込む。そこはパン(牧神)が門番を勤め、地下王国の王女の帰還を待っていた。オフェリアは彼女が地下王国の王女であると伝えられる。しかし王女に戻る為に3つの試練を与えられるのであった。

”不思議の国のアリス”のダーク版というべき感じの作品。現実と非現実共にダークでとても重い。共に血の匂いが強く漂いどちらに生きても辛くて厳しい現実が待っているのがきつい。

現実のゲリラ戦の描写は、リアルで残酷なシーンが続く。語り尽くされた感があるがダークファンタジーの残酷さをより際立たせる。現実の残酷さに重きを置いているので変に幻想的なシーンに逃げず真っ向勝負なドラマが映画の完成度を高める役割を果たしていて良かったね。

この映画にでるクリチャーの完成度が高いんですよね。本当に森の中深くに潜んでいる様な感のあるダークな妖怪達。そのクリチャー達が活躍シーンやそれを活かす為のセリフとそれと現実の対比が上手い。戦時下という極限の状況下で生と死の狭間で生きる人々。倫理観など無く力らあるものが全てを支配し、男は戦いという極限の中で苦闘し、女は虐げられて苦しみ、子供は守られる立場ではなく、それぞれに生き抜く為にもがく中でオフェリアももがいて行く。

本当にこの物語はファンタジーなのか、極限状態の中の現実逃避をする1少女の幻想なのか紙一重の中、ファンタージと現実が交差して物語がどんどん進む、そして現実も試練も緊迫した厳しい状況が続く、そしてラストの時を迎えた時、現実はオフェリアの望むべくもないラストにたどり着くが、その後は楽園が待つものなのかがただの現実逃避なのかは考えさせられる。

戦争の悲劇や愚かさをファンタジーのオブラートに包んで観客に叩き付けた様な作品でした。

ダークで決して気楽に見れる映画ではないですが、映画の完成度が高く心に直に突き刺さる切れ味の鋭いナイフの様な作品でした。見て損する映画ではないがダークでヘビーな作品です。

パンズ・ラビリンス 通常版

パンズ・ラビリンス 通常版

  • 出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
  • メディア: DVD


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